リーマン現パロユリレイ+フレ。
ユーリが現場にいないユリレイ(笑)





「あ、レイヴンさん」
「およ、フレンちゃん。フレンちゃんも昼寝?」

昼休み、フレンが会社のビルの屋上に上がると、ベンチの上に同僚のレイヴンの姿を見つけたので声をかけた。
「も」ということは昼寝をしていたらしく、レイヴンはあくびをしながら体をのばしている。

「いえ、僕はちょっと外の空気が吸いたくなって…おじゃましましたか?」
「いんや、いまちょうど起きたとこ」

フレンはレイヴンの隣に腰掛けた。
穏やかな昼下がり。
いつもと同じ風景。
ではなく、いつもならばここにフレンの幼なじみで親友で同僚のユーリがいるはずなのだが。

「ユーリが居ないと静かですね」
「そうねー」

ユーリは6日ほど前から出張に出ていた。
なぜユーリが居ないと静かなのかというと、ユーリは上司だろうが取り引き相手だろうが、気に入らないことがあれば平気で食って掛かるし、普通に仕事をしているときでもなぜかよくトラブルに巻き込まれる。
なのでいつも社内はにぎやかだ。
それでもなぜか結果的にはいい方向に進むことが多いのでなんとかやっていけてるのだが。

「静かなのはいいんだけど…それはそれで落ち着かないのよねぇ」
「ああ、何となくわかります」

トラブルはないにこしたことはないのだが、すでに日常になっているそれが急になくなると少し寂しいとさえ感じる。
ほかの同僚でさえなんとなく調子が狂うなどと言っているのだから、レイヴンならなおさらだろう。
そう、ユーリの恋人であるレイヴンなら。
鈍い振動音がかすかに聞こえた。
レイヴンが携帯を取り出し発信者を確認する。

「お、噂をすればなんとやら」

と、レイヴンがフレンに携帯のディスプレイを見せる。
そこには「ユーリ」の文字。

「外しましょうか?」
「いや、別にいいわよ」

二人の間柄を知っているフレンとすれば、人がいてはしにくい会話もあるだろうと腰を上げたがレイヴンに気にする様子はない。
それでも、そばで聞き耳を立てるものでもないので一応、とフレンは隣のベンチに移った。

「もしもし?」
『おっさん…』
「どうしたの?テンション低いねぇ」
『俺もう限界…』
「一週間の出張で情けないわねえ。そんなにそっちきついの?」
『いやそういうわけじゃ…』
「だいたい後一日でしょ?そんくらい頑張んなさいよ」
『はぁ…うん、わかってんだけどさぁ…でも』
「でも?」
『今日までなんとか我慢してたんだけどさ…後一日だと思うと逆に我慢できなくなってきたというか…』
「だからなにが?」
『いますぐあんたを抱きてぇ』