アレダミュでアレシュでアレレイ。
ほぼおっさん独白で詩っぽい?
暗い。
「お前はかわいいな、シュヴァーン」
はい、アレクセイ様。
「お前はどうしようもないな、レイヴン」
はい、アレクセイ様。
夜毎繰り返される行為。
優しくされても、ひどくされても、従順な、けれど最後にはただただ快楽を貪るこの体。
熱くてたまらないのにどうしようもなく悲しい。
あなたはそんな顔で笑う人じゃ、なかった。
俺が人間らしさを取り戻していくにつれてあなたは狂気に捕われていった。
いったい何が悪かったのか。
俺は、俺たちは、たしかにあなたの願いから生まれたものだったはずなのに。
なぜ、そんな顔で見るのですか?
俺の何がそんなに執着させるのですか?
俺の何がそんなに気に障るのですか?
あの頃の夢をみた。
ダミュロンは死んだのに。
なんて言ってもこの体はダミュロンのもので、ダミュロンの夢だってみるのだ。
凛としたあなたの姿に振る舞いに、心震えたあの日のこと。
二度と戻らない鮮やかな夢。
それでもあなたの体温が触れれば、作り物の心臓がはねる。
結局どんなにされても俺はあなたに焦がれているんです。
それはダミュロンなのか、シュヴァーンなのか、レイヴンなのか。
愛して下さい。
なんて言えるわけもなく、立ち去るあなたの背に手を伸ばす『俺』はいったい『誰』なのだろうか?
あとがき