学園祭と体育祭が終わって。






「青年みっけ」
「おっさん…」
「探したぜぇー」
「…なんか用か？」
「お言葉ねぇ。いつもはそっちが無理矢理押し掛けてくんのに」
「…あんたに会わす顔がねぇんだよ。あんだけ大口たたいといて」
「最後のリレー？ありゃしょうがないっしょ。てか青年があれだけ追い上げたのにびっくりよ」
「でも…」
「うじうじうじうじ青年らしくない！ほら、これ！」
「…なんだ、これ？」
「ごほーび」
「だからもらう資格ねぇって」
「あーもぅ！そんなの青年が勝手に決めたことなんだからおっさんはしったこっちゃないわよ！てか食べてもらわないと困る！」
「食い物なのか？」
「そーよ、ほら」
「クッキー…」
「食べてもらわないとせっかく作ったのに無駄になるっしょ」
「あんたが作ったのか!?あんた甘いもの食えねぇんだろ!?」
「そーよ、わざわざ青年のために作ったんだから。味見できねぇから味の保障はないけど」
「ホントにもらっていいのか？」
「おうよ。学園祭も体育祭も、最後惜しかったけど、青年すっごいかっこよかったからね」
「あ、ありがと…」
「食べてみてくんない？」
「…ん、うまい。甘いものダメなのによくこんなにうまく作れるな」
「よかったぁー。ま、おっさん器用だからね」
「…なあ、わざわざ作ってきてくれたってことは、期待しても…いいのか？」
「……どうでもいいやつにわざわざ手作りはないっしょ。ってうわ！いきなり抱きつくな！」
「ちょっとだけ、ちょっとだけでいいから」
「…よしよし。今日だけだからね、こんなに甘やかすのは」


あとがき