だいぶほだされてきたおっさん。





「せーねん、変な噂たってるわよ」
「ふぇんなふはは?」
「飲み込んでからしゃべりなさい。てかなんでいつもおっさんのいるトコにお弁当食べに来るの?」」
「んっ、やっぱおっさんと一緒にメシ食いたいし」
「あーはいはい」
「で、変な噂って?」
「あぁ、青年とフレン君がつきあってんじゃないかって」
「ぶはぁ!」
「わっ、きったねぇ!」
「な、なんでそんなことになってんだ!?」
「もともとなかいいじゃない?で、青年よくフレン君に差し入れしてるみたいだから」
「あぁ…部活で作って余ったやつとかな。てか昔からそんな感じだからオレらはなんとも思ってなかったんだか…まさかそんな風に見られてたとは」
「普通男子高校生は手作りのお菓子を男子高校生に差し入れたりしないでしょうしねぇ?それにおたくら並んでると絵になるし」
「そう、なのか?」
「おたくら自覚ないの?」
「二人並んでどうとかなんて考えたことねぇよ。ま、おっさんがわかってんなら別にいいか」
「何が?」
「俺が好きなのはレイヴンだってこと」
「っ…ま、またそんなこと言ってぇ」
「まんざらでもねぇだろ、レイヴンも」
「そ、そんなこと…」
「最近おっさんって呼んでも訂正しないし弁当食いに来ても追い返さないし」
「いちいち対応するのも疲れたのよ!」
「嫌ならいやって言えよ。今なら聞いてやるから」
「…」
「ほら」
「…一緒に弁当食べるくらいは…いい」
「っしゃ!じゃあ明日も来るぞ」
「はいはい、わかったから!もう昼休み終わるから戻んなさい」
「ん、ごちそうさま。好きだぜレイヴン」
「あー!もういいから早く行きなさい!」


あとがき