珍しくシュヴァとフレンのターン。






(買ったはいいものの…いつ渡せば…)
「先生…?」
「はっ!?あ、どうしたシーフォ?」
「もう部活の終了時間なのですが…」
「あ、そうだな…今日はここまで!」
「あの、この後少しお時間よろしいでしょうか?」
「ああ、大丈夫だ」
「では、すぐ戻ってくるので少しだけ待ってて頂けますか!?お渡ししたいものが…」
「いや、俺も一度着替えに戻るから急がなくていい。君も着替えてくるといい。そうだな、鍵はあけておくからここに戻ってきてくれ」
「はい、わかりました!」



(渡したいもの、とは…やはりなにか持ってきてくれたのだろうか?甘いものは駄目だといっているからチョコということはないだろうが、また手作りだったら…!いや、好意でしてくれているんだからとりあえずは受け取らないと…)
「あ、先生」
「ああ、シーフォ。その、渡したいものとは…」
「これです」
(よかった、市販品のようだな…)
「今日はバレンタインなので…」
「ありがとうシーフォ。ところで…中身を聞いてもいいか?」
「はい。ハート形のおせんべいです」
「せんべい?」
「一般的にはチョコレートですが先生は甘いものが苦手だとお聞きしているので…色々調べたら甘いものが苦手な方向けにそういうものが売っていまして…」
「…色々考えるものだな」
「試食したんですけどすごくおいしかったです。先生にも気に入っていただけるといいのですが…」
「その気持ちだけでも十分うれしいよ。そうだ、その…俺からも君に…」
「え!?」
「チョコなぞ何がいいか分からないから見た目で選んだんだが…箱が、君の瞳の色に似ていて、きれい、だった…から」
「…」
「シーフォ…?」
「…うれしい!僕これ一生の宝物にします!」
「あ、ああ〜泣くな。というか食べ物なんだからちゃんと食べてくれよ」
「はい!ありがとうございます!」





(このせんべい『激辛』って書いてある!?やはりシーフォの『おいしい』はその方向なのか…)



あとがき