バレンタイン当日のお話。






「…来ない……放課後すぐくると思ったのにもう部活も終わる時間じゃねえの!………はぁ…おっさん一人で盛り上がってバカみてえ…………もう帰ろ…ってうわっ!」
「っ、セーフっ!」
「どどどうしたの青年!?」
「今日バレンタインだろ?けどおっさん甘いもの駄目だからどうすっかな〜と思ったらいいの見つけたんで買いに行ってたんだよ」
「そういえばその紙袋からもわっといい匂いがするけど…」
「そうそうこれ。朝からずっと持ってるとすげえ匂いするから授業終わってから買いにいったんだけどさぁ、思ったより戻ってくるのに時間かかっちまって…いやーおっさんが帰るまでに戻って来れてよかったぜ」
「なんだ…もう来ねえのかと思ったじゃない」
「なに?期待してた?」
「してねえわよバーカ!」
「素直じゃねえの」
「で、これなんなのよ?」
「ハート形肉まん」
「…いろいろ考えるもんねぇ」
「普通の食べたけどすげーうまかったから。おっさんも気に入ると思うぜ」
「そうね、肉まんならありがたくいただくわ。わざわざ買ってきたくれたんだもんね。ありがと」
「おう。で、俺の分は?」
「は?」
「用意してくれてんだろ?」
「う、まあ…」
「それ?手作り?」
「そーよ!おっさんが吐き気を我慢して作ったんだからね!ありがたく食べなさい!」
「ああ、愛するレイヴン先生の手作りだからな。しっかり味わって食べるよ。サンキュ」
「!(で、でこちゅーされた…)」


あとがき